小松先生をお呼びして石巻市グランドホテルで東北水産業復興研究会(第6回)を開催しました。
「これまでの漁協、これからの漁協」と題して、漁獲高が減り続ける日本の状況、そして資源管理に力を入れる他国の動向、および我が国における漁業権の歴史と漁協の成り立ちについて詳しく教えていただきました。
これから期待される漁協の役割について、小松先生は以下のお考えを持っておられます(最後のPPT資料より抜粋)。
・漁業の目的は経済事業
・漁業権の管理は公的機関の役割
・漁業権行使規則は科学的かつ法的拘束力を民主化(1人1人の平等は経済事業と矛盾)
・漁協の収益体質の改善
・漁場行使料と販売手数料は漁業者に負荷
・優先順位から経済、技術力へ
かつて漁業は儲かる職業でしたが、今は見る影無しです。
持続可能な水産業を実現していくためには、日本が資源管理を率先し近隣諸国を巻き込んでいくことが重要です。
品質の良い魚を年間を通じて安定供給していく体制が整えば、水産加工者の収益増にもつながります。
漁業者の高齢化と担い手の減少が深刻化しているにも関わらず、平等性確保の原則から意欲の高い生産者のがんばりが報われる環境にはなっていません。
チャレンジやイノベーションの意欲を活かしていける意識改善や構造改革の実施が強く求められていますが、国や自治体を頼るだけでなく世論の後押しがないと難しい状況です。
また、国外ニーズの高まりに対応していくためには、国を挙げて市場開拓、流通の体制を整えてく必要があると、参加者からの意見もありました。
課題は山積ですが、まだまだ可能性はあります。
水産関係者に限らず、国民全体で関心を持って、この問題を考えてもらいと思います。