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12.02.27

オランダ大使館主催「園芸産業のオランダ型統合的アプローチ、東北の農業復興におけるオランダの貢献」

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オランダ大使館主催によりワークショップ「園芸産業のオランダ型統合的アプローチ、東北の農業復興におけるオランダの貢献」が開催されました。

■内容(案内文から引用)
 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、仙台平野沿岸部広域が、浸水と破壊の被害を受けました。被害を受けた農地では深刻な塩害が指摘され、地域農業が被った損失ははかり知れません。しかしながら、この地域は、震災の苦難を新しい成長の機会へ転換させようと確固たる意志を表明しています。地域農業をかつてない強い産業へ復興させ、大消費地関東首都圏を支える食料生産拠点として再生させるため、多くの取り組みが始まっています。
 仙台平野は宮城県の主要な農業生産地であるとともに、太平洋沿岸の交通拠点、すなわち高速道路、主要な海港および国際空港の至近距離に位置しています。こうした地理的好条件は、仙台平野が大規模園芸プロジェクトに適した地であることを示しています。
 オランダは九州ほどの国土面積を持つ小さな国です。それにもかかわらず、オランダは世界第二位の農産物・食料輸出国であり、施設園芸技術においては世界最先端をいく国として知られています。本ワークショップ “Horticulture – The Dutch Integrated Approach”(園芸産業のオランダ型統合的アプローチ)においては、オランダから来日する専門家が、温室栽培、農地の除塩、土地の集約・整備、園芸クラスターなどのテーマで講演を行い、オランダで得られた知識・経験を共有いたします。さらに、講師と来場者が双方向のディスカッションを行うことで、東北の農業復興においてオランダが成し得る貢献について、関係者の理解を深めることができれば幸いと存じます。ディスカッションのモデレーターには、内閣官房「食と農林漁業の再生実現会議」の委員であり、東北の農業復興に積極的にお取り組みである宮城大学事業構想学部長の大泉一貫氏をお招きします。

■主催者等
主催: 在京オランダ王国大使館
後援: 宮城大学、東北農政局、東北活性化研究センター(敬称略・順不同)
日時:平成24年2月27日(月)9:30-12:00
場所: フォレスト仙台2階「第一フォレストホール」(仙台市青葉区柏木1丁目2番45号)

■プログラム
9:00 受付開始
9:30 開会の辞
9:45 ワークショップ 1
 ワーヘニンゲン大学研究センター 施設園芸部門 シルケ・ヘミング氏
 講演「持続可能な施設園芸生産」

10:30 ワークショップ 2
 ワーヘニンゲン大学研究センター アルテラ環境研究所 ヴィム・ファン・ドリール氏
 講演「除塩:適応策か、緩和策か」

11:15 ワークショップ 3
 オランダ政府の土地・水管理行政サービス ケース・ファン・デル・ファールト氏
 講演「オランダの経験」

12:00 閉会

■講師紹介
Ms Dr. Silke HEMMING, “Sustainable Greenhouse Production“
ワーヘニンゲン大学研究センター 施設園芸部門 シルケ・ヘミング氏
講演「持続可能な施設園芸生産」
 画期的な温室設計コンセプトおよび最新の園芸用被覆材の研究分野において著名な専門家。ワーヘニンゲン大学研究センターにおいて、施設園芸技術の科学的研究を主導する立場にある。講演では、オランダが取り組む持続可能な施設園芸生産(環境負荷が低く、省力・省エネ・高生産性を実現する生産方法)について最新情報を提供する。

Mr Wim van DRIEL, “Desalination: adaptation or mitigation?”
ワーヘニンゲン大学研究センター アルテラ環境研究所 ヴィム・ファン・ドリール氏
講演「除塩:適応策か、緩和策か」
 ワーヘニンゲン大学研究センターにおいて、統合的水資源管理チームのプログラム・マネージャをつとめる一方、世界各地の河口デルタ地域の回復力(resilience)向上のための地球規模の知識主導型ネットワーク「デルタ・アライアンス」のプログラム・マネージャとしても活躍。講演では、農地の塩害対策・除塩に焦点を絞り解説する。

Mr Kees van der VAART, “Reshaping the landscape – The Dutch experience”
オランダ政府の土地・水管理行政サービス(DLG) ケース・ファン・デル・ファールト氏
講演「オランダの経験」
 オランダ政府の土地・水管理行政サービスのシニア・プロジェクト・マネージャとして、オランダ国内で実施される、農業、景観、自然、野外レクリエーション、文化財の統合的強化を目指す大規模開発プロジェクトを担当。講演では、農地の集約、整備、大区画化などの政策を含め、オランダの経験について紹介する。

モデレーター
宮城大学 事業構想学部長 大泉 一貫 氏
東京大学大学院修了。農学博士。農業経営の成長を通じた農業の改革に取り組む。農村地域政策の構築や農政への提言活動を展開。日本地域政策学会会長。内閣府「規制改革会議」専門委員(地域経済・農業部会)。内閣官房「食と農林漁業の再生実現会議」委員。大震災からの復興にも取組み、宮城県南三陸町の震災復興計画策定会議委員長を務める。

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カテゴリー:オランダに学ぶ農業   投稿日:15.12.27